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#あたシモ

虹の向こう側

Netflixおすすめドキュメンタリー『連続殺人鬼にインタビュー』

レビュー Netflix ドキュメンタリー

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犯罪番組を観るのが好きなのです。今日は、Netflixで見つけたドキュメンタリ『Interview with a serial Killer』ーのご紹介。

あらすじ

1980年代後半に、ニューヨーク州ロチェスターで売春婦や麻薬中毒者、ホームレスの女性たちが行方不明になり、次々と殺害される事件が起こりました。

売春宿の常連客だったアーサー・ショークロスは、遺体が捨てられた川の橋に車を止めて遺体のあたりを見つめているのを発見され、逮捕に至ります。「ジェネシー川の殺人鬼」と呼ばれた彼は、11人を殺した罪状で、250年の判決を言い渡されました。

その後、ディスカバリーチャンネルの『Most Evil』という番組で、コロンビア大学の精神科医マイケル・ストーンがインタビューしたシリーズの一話分です。

(最近、こういうテレビシリーズの一話分が一つのドキュメンタリとしてリパッケージされてディストリビュートされるのはやってるんですかね?)

感想

実は、内容は「衝撃」というものはないです。一応連続殺人であり、遺体を切り刻んだり、食べたりといったこともありますが、どちらかというとアーサー・ショークロスのキャラが地味なのかもしれませんね。チック症なのか、頻繁に強く目をつぶる以外は意外と落ち着いた印象です。

同じシリーズで、テッド・バンディ事件を元にしたものもありますが、そっちも観てみたいですね。

ただ、興味深かったのは、このドキュメンタリーのなかで示唆されている、「脳の損傷」「幼少期の虐待」などのコンビネーションが過度に暴力的な連続殺人者を産むというセオリーです。

連続殺人者の脳をMRIなどで調べると、脳の損傷に一定の共通点が見られ、ショークロスにも同様の損傷があったというのです。

弁護側は、ショークロスの脳の損傷、さらに児童虐待の事実や、ベトナム従軍がきっかけとなるPTSDによって、彼は殺人を犯した時、心神喪失であり刑法上の責任能力がなかったと抗弁しようとします。しかし結局は陪審員にその訴えは認められませんでした。

実際に行為時に「ちょっとおかしくなっていた」としても、その後遺体を隠蔽しようとしたり、繰り返し犯行を犯すなど、常に責任能力がなかったとはいえないと判断したのでしょう。

この虐待の事実については、母親自身は否定していますが、催眠状態で母親から虐待される様子を再現しているアーサー・ショークロスのセラピー中の映像には、息を飲みました。ちょっとフラッシュバック注意です。

最近、児童虐待について調べているのですが、児童虐待は、そこで終わるだけではなく、虐待された子ども自身に長く続く影響を残し、さらにその周りにも影響を与え続ける……。本当に「虐待」とそれを産む仕組み自体に対処しないといけません。

ショークロスが虐待されていたという事実や脳に損傷があることが、彼の殺人を正当化は全くしません。しかし、一見まったく理解できないような犯罪を犯す犯人もまたひとりの人間であり、そこに至るまではその人なりの理由があるのだということを思い出させてくれました。

ショークロスは、自らもまた人の子であるだけではなく、人の親でもあります。ショークロス自体もいることを知らなかった娘マギーは、父親を見つけ出し、刑務所で再会します。

そして、父親の犯した犯罪を全て知りながらも、定期的に面会を続け、自分の子どもたちをもまたショークロスに会うために連れて行きます。

「娘のことを愛しているよ」と語るショークロスの言ってることはまともなのに、なぜかとてつもなく不気味に感じたのでした。

アーサー・ショークロスは2008年に亡くなっています。

評価

  • 衝撃度 ★★★
  • 興味深い度 ★★★★★
  • 悲しみ度 ★★★★★
  • おすすめ度 ★★★

Netflixで観られるほか、YouTubeでも全部観られるようなので、興味ある方はぜひどうぞ。

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