「セレブの子ども」シリーズ続きます!
今回取り上げるのは、現在映画『By the Sea』の製作中であるアンジェリーナ・ジョリーと、ブラッド・ピットの子ども、ジョン(9)。
ジョンはそもそも、シャイロ(Shiloh)として生まれたのですが、かなり前から「トランスジェンダーなのでは」と言われています。
ブラッド・ピットが2008年にオプラ・ウィンフリーの番組に出演して公表したところによると、アンジェリーナ・ジョリーとブラッド・ピットの子どものシャイロ(Shiloh)ちゃんは2歳半の頃から、「ジョン」または「ピーター」と呼ばれることを好んでおり*1、さらに、アンジェリーナ・ジョリーが雑誌『バニティー・フェア』誌に述べたところによると「男の子になりたい」と言っているそうです(この記事では、本人の意向にそうため「ジョン」と呼びます)。
ブラッドとアンジェリーナは本人の意向を尊重し、「ジョン」と呼び、髪の毛を短く切り、また本人が着たいというスーツやネクタイなどを着せているそうです。ジョンがいわゆる「トランスジェンダー」であるかは不明です。アンジェリーナとブラッドは、ジェンダーの専門家に相談をしているそうですが、いわゆる「トランス男児」というカテゴリをジョンにあてはめることについては結構慎重になっているように思えます。
セクシャリティーは、グラデーションとよく言われますが、性自認概念も、多分結構グラデーションだと思います。トランスジェンダーの理解として「性同一性障害」という概念が広まっている日本では「心と体の性が食い違う?」→「性同一性障害だ!」→「治療をしよう!」という風になりがちな気がしますが、実は、「心の性別」なんていっても、そんなにきっぱり決められるものではありません(体の性別というのも実はきっぱり決められない部分があります)。←もちろん、決まる人もいるとは思いますが……。そうじゃない人もいるよね。
「トランスジェンダー」は結構広く緩やかな概念なんですよ。全てのトランスジェンダーが治療をしているわけではないし、それを望むわけでもありません。もちろん、医療的アプローチを否定しているわけではありませんよ。当事者が求める場合、ホルモン療法や外科手術などの医療的行為はとても有用です。
しかし、特に子どもの場合は「この子は男の子(女の子)」とすぐにラベルを貼ることなく、長い目で見ることが大事だとと思います。「男らしい」「女らしい」の枠から逃げ出したら、あっという間に「トランス」の枠に入れられるなんて本末転倒な気がします。そもそもトランスジェンダーじゃない女の子がスーツとネクタイを着てていいし、男の子が「たまにはドレスを着たい」なんていう日があってもいいんですよね。自己表現として多様なジェンダー表現を行うことと「トランスジェンダー」というカテゴリは必ずしも一致しなくてもいいのかなと思いました。
ジョンの性自認はまだ不明であり、最終的にジョンがどういうアイデンティティーを獲得するのかはわかりません。まだまだこれから成長をしていくジョンのことを周りが温かく見守っていってほしいなあと願っています。
母親のアンジェリーナもクィア
ちなみに、母親のアンジェリーナ・ジョリーは、オープンなバイセクシャルであり、過去にジェニー・シミズなどの女性と関係を持ったことを認めており、こんな情熱的な言葉も残しています*2。
「もし夫と結婚していなければ、多分、ジェニー・シミズと結婚していたでしょうね。彼女を見た瞬間に恋に落ちたんです」 "I probably would have married Jenny Shimizu if I hadn't married my husband. I fell in love with her the first second I saw her."
↑アンジェリーナ・ジョリーと、ジェニー・シミズが共演した映画『Foxfire』。よく見ると、ジャケットに二人とも写ってますね。若い~!
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また、テレビ映画『ジア 裸のスーパーモデル(GIA)』では、アンジェリーナ・ジョリー実在のモデルジア・キャランジを演じ、女性との関係を鮮烈に演じました。これ、初めて観た時は目玉が流れでてしまうほど泣けて泣けてしかたありませんでした。もう最近では、すっかり落ち着いて母親業や映画制作に勤しんでいるアンジーですが、そもそもは結構尖ったキャラだったんですよね。
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↑この映画を観た後、ニューヨークの美術館に『Girl, Interrupted』の絵を観に行ったっけ……。