ハンドメイドのマーケットサイトを運営するEtsyが、ニューヨークにある本社のトイレを素敵にデザインしなおしました。Etsyでエンジニアを勤めるサラさんのツイートによると以下のとおり。
Super proud of @Etsy today for making our bathrooms as gender-neutral as state law allows pic.twitter.com/YTrwvWUfau
— Sara Bee (@SaraBee) December 7, 2015
州の許す範囲で、私たちのトイレをジェンダーニュートラルにしてくれたEtsyのことを、めちゃくちゃ誇りに思います。
このサインには次のようなメッセージが付記されています。
法律的には、ドアにどちらかの性別マークをつけなければいけないのですが、私たちは、性別は2つに割り切れるものではないと信じています。
どうか、あなたが一番心地よく感じるトイレをお使いください。
"While the law requires gender binary signs on the doors, we believe that gender is not binary. Please use the restroom that feels most comfortable to you."
男女別トイレと法律
ニューヨークでは、公共の場所やビル内に、男女別のトイレを作り、それに男女マークをつけることが法律で決められています。どちらのトイレを使おうと、違法ではありませんが、トランスジェンダーの人々は、トイレのなかでジロジロ見られたり、声をかけられたりといった目にあうことが考えられます。
ウェストハリウッドやフィラデルフィアなど、地方自治体によっては、男女別のトイレの他に、ジェンダーニュートラルな「個室トイレ」を作ることを定めているところもあります。ジェンダーニュートラルなトイレは、トランスジェンダーのためだけのものではありません。子連れの親や、介助スタッフと共に移動している人など、多くの人々がジェンダーニュートラルトイレを利用できるのです。
ニューヨーク市でも同様の活動が続けられていますが、まだはジェンダーニュートラルがないのが現状。そこで、Etsyは独自にこのようなメッセージを掲げ、ジェンダー表現の多様性を受け入れることを表明しているのですね。法律を守りながらも、しっかり主張する姿勢、好きです。ところで男性向けトイレにも似たような工夫はされているのかな?気になりました。
日本にもあるジェンダーニュートラルトイレ
渋谷区役所の仮庁舎内のトイレの案内表示。レインボー(虹色)は、誰でも使うことができるという表示です。
こういうソフトな取り組みも大切です。 pic.twitter.com/wKwSsUEHcj
— 江南市議会議員(社民党) 山としひろ (@toshihiroyama) November 11, 2015
日本でも、渋谷区の「だれでもトイレ」が話題になりました。男性と女性の「他に」レインボという「他者」がいるかのように見えるこのデザインは賛否両論で、わたしも正直違和感を感じたのですが、このように、「誰でも使える」ということを強調したジェンダーニュートラルなトイレを増やそうという試みはとても素敵だと思います。誰もが毎日使う施設であるトイレ。身近な存在だからこそ「トイレの使いやすさ」は「生きやすさ」に直結してるのかもしれませんね。
あなたも作ってみませんか?
画像出典:Stories | It was NEVER a dress!
このデザインの元ネタは、しばらく前に話題になった「決してドレスではなかった(It was NEVER a dress)」という物。このデザインは「女性は常にスカートを履くもの」というされている社会通念を否定し、多様なジェンダー表現を肯定しているというメッセージです。直接的にトランスジェンダーを指すものではないのですが、つながっているのかな?
「決してドレスではなかった(It was NEVER a dress)」のウェブサイトでは、このデザインを使って自分でスティッカーや看板を使ったりするためのファイルが公開されています。興味ある方はこちらからどうぞ。