#あたシモ

アメリカで働くレズの徒然

映画ゴーストバスターズ(2016年版)観たけどめっちゃ笑えたw

リブート版ゴーストバスターズを観たので感想です。

あらすじ

コロンビア大学で 教鞭をとっていた素粒子物理学博士のエリン・ギルバートは心霊現象を科学的に解明するための研究を行っていた。しかしある日、かつて自分が幽霊の実在を主 張する本を書いていたことが明るみに出たせいで笑い者になってしまったばかりか、研究費を打ち切られてクビになってしまう。大学での居場所を失ったエリン は本の共同執筆者であるアビー・イェーツと再会し、自らの知識と技術力を生かすべくある計画を打ち立てる。それは、街を襲う幽霊を自分たちの手で退治する というものだった。エリンは原子力エンジニアのジリアン・ホルツマン、地下鉄職員のパティ・トーランを仲間に加え、専門会社「ゴーストバスターズ」を設立 し、幽霊退治に乗り出す(Wikipediaより)。

感想(ネタバレあり)

面白かったです!めちゃくちゃ笑いました!

特にメリッサ・マッカーシー演じるアビーとクリステン・ウィグ演じるエリンの間のケミストリーがよかったです。

天才発明家ホルツマンを演じるケイト・マッキノンは、頑張ってたし、めちゃくちゃカッコ良かったんですが、相当の変人キャラで、異彩を放ってたというか……ぶっちゃけ一人画面から浮いてた気がします。

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ゴーストバスターズは、フェミナチ映画なのか?

さて、ゴーストバスターズを語る上で、外せないのが、この映画が受けてきたバッシングです。

そもそも、ゴーストバスターズは、大ヒットしたオリジナルのファンが多く、オール女性キャストでのリメイクという話が持ち上がった時から、激しいバッシングを受けてきました。

ゴーストバスターズの出演者たちは、サタデーナイトライブという人気お笑い番組の出演者で、旬のお笑い芸人たちばかりなのですが、「女性」ということで、快く思わなかった人もいたのです。さらに彼女たちは、いわゆる若くてセクシーなタイプではなく、中年だったり、小太りだったり、さらにはレズビアンだったり(汗)いわゆる一般的な「男受け」を狙ったキャスティングではなかったのも、オリジナルの男性ファンはムカついたのかもしれません。

それが、一気に形になったのが、予告編が公開された後です。確かに予告編の出来はありふれたものでしたが、一気に作品をバッシングするようなヘイトコメントが溢れました。

↑これは、ジョーク動画ですが、実際にこういう人多かったのかもw

YouTubeのコメントは、インターネットに渦巻く、ゴーストバスターズへの悪意の氷山の一角にすぎず、フォール・アウト・ボーイのカバーしたテーマ曲も散々叩かれました。監督や出演者に殺到した嫌がらせのなかには殺害予告まであったそうです。

保守派のコラムニスト、マイロ・ヤノポロスは、黒人キャストのレスリー・ジョーンズに対して、低レベルの悪口や、人種差別的な発言を煽ったことでツイッターを永久追放となったことも話題となりました。

これら、ゴーストバスターズを叩いていた人たちのなかには、はっきりと「フェミニズムのプロパガンダ映画だから嫌だ」と書いている人もいましたが、「女性キャストだから反発しているのではない。単に、ひどい映画だから」と主張している人もいました。

でも、彼らは、まだ映画自体が公開される前から、そんなことを言っていたわけです。予告編だけで映画の出来がわかるわけではないのにね。

……そして、映画が公開されると….…。公開週の興行収入は46ミリオン、8月2日現在までで160ミリオンを突破しており、制作費を上回る売上は確保しています。 評価もそこそ悪くありません。もちろん、一般人が投稿できる欄の評価には、ヘイトコメントっぽいのもありますが、それでも、公開前の予告編に寄せられていたものと比べれば、よっぽど好意的です。

そう、ゴーストバスターズは結構面白かったのですw

ゴーストバスターズは、フェミナチ映画なのか?

「つまらない映画」という予想は覆されました。しかし、もう一つの「フェミ映画」というレッテルはどうなのでしょう?

「フェミっぽいから何か嫌」という理由で、ゴーストバスターズを叩いていた人たちの嗅覚は鋭かったと言わざるを得ません。

ゴーストバスターズファンのなかには、作品を褒めようとして「ゴーストバスターズはフェミ映画なんかではない」という人もいるでしょう。(褒め言葉のつもりで『キャロル』はレズビアン映画ではない、とかいう人がいるのと同様に)。でも、そんなのくそくらえ。ゴーストバスターズは、明確に男女のジェンダーロールを入れ替えることによる笑いを狙い、女性にまつわるさまざまなステロタイプを打ち砕き、女性同士の絆を描く、ものすごーく元気が出る映画です。これをどう名づけようとよいですが、フェミニズム的なメッセージが込められていることは否定しようがありません。それをするのは、逆にミソジニーといっても過言ではないでしょう。

これについては、同じく、熱狂的なオリジナルがある映画をリメークしたところ「フェミっぽい」ということで、大きなバッシングが巻き起こった『マッドマックス 怒りのデス・ロード』と比較すると面白いです。

わたし自身は、かつてレビューにも書いたとおり『マッドマックス』は言うほどフェミな映画だとは思わなかったんです。そういって騒ぎたい人がいるのは理解できるけど、結局は、男目線の映画だよねーと。

でも、ゴーストバスターズは、これとはレベルが違います。

女性は、美しく性的な対象なのではなく、ガチ科学を通じて幽霊の真実を追い求め、そして、ビジネスを起こして、闘う存在です。

性的な対象として見られるのは、むしろ「男」。

若くてピチピチてムキムキで可愛いけれど、頭が空っぽな受付係のケビンを、クリス・ヘムズワースがコミカルに演じていますが、これは、これまでずっと、ブロンド女性が受けてきたステロタイプ(セクシーだけどバカ)の裏返しです。そして、そんなケビンを一目見て気に入り、ぼーっとのぼせ上がるクリステンw バカだwww バカなんだけど、こういう愚かっていうのはこれまでずーと男が普通に享受してきたものなわけです。それを女がやると、こんな風になるんだ!っていうのが面白い。ジェンダー逆転キャスティングの風刺が、鮮やかに効いている場面のひとつです。

そして、巨大化したゴーストをやっつける時、4人が揃って攻撃するのは……「股間」。眉をしかめて、崩れ落ちるゴースト。あははははは!!!!大笑いしちゃいました。

オリジナルファンも楽しめる!

さて、この作品には、ダン・エイクロイド、ビル・マーレイ、アーニー・ハドソン、シガニー・ウィーバーなどのオリジナル・キャストもきちんと登場しています。探してみてくださいねー!劇場では、彼らが登場した時、軽く歓声があがっていました。わたしは

実は、わたしはオリジナルを観たことがなくて、今回のリブート版を見る前に予習でみたのですが、あまり楽しめませんでした。

過去にも、こんな感じでツイートしてます。正直いって、なぜそんなに大ヒットしたのかよくわかりませんでした(汗)

これって、なんで?時代のせい?と思ったのですが、スター・ウォーズとかは古いし、ハン・ソロもキモいけど、映画として面白いことは否定しようがないので、時代のせいだけにもできないのですよね。あえていうなら、親子関係などの人間関係のドラマは、時代を超えて生き残りやすいのに対し、お笑いのセンスというものは時代により左右されやすいということなのかなー?と思ったり……。

とにかく、今回のリブート版ゴーストバスターズの方が、ずっと気に入りました。

人種的ステロタイプには課題も

そんなゴーストバスターズですが、人種的多様性という点では、多少残念な点もありました。

ゴーストバスターズのうち、一人だけ黒人であるレスリー・ジョーンズのキャラクターが科学者ではなく、地下鉄職員というブルーカラーの役だったのです。

この設定は、オリジナルのゴーストバスターと同様なのですが(三人の白人が科学者や技術者で、一人の黒人が労働者)、逆にオリジナルから進歩してないっていうのはヤバイですよね。また舞台はニューヨークという設定なのに、アジア系やラテン系の存在感もありません。

「理系の女性」像を通じて、女性も科学的であることができることを示したゴーストバスターズでしたが、人種的偏見からは自由になれなかったようです。

評価

  • ガールズパワー度 ★★★★★
  • 笑える度 ★★★★
  • 皮肉度 ★★★★★