読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

#あたシモ

虹の向こう側

メディアvsバーニー -- 誰がニュースを牛耳っているのか?

アメリカ 政治

photo by barrilete_eléctrico

不当に扱われるバーニー・サンダース

バーニー・サンダースは、メディアからほとんど無視されているといってよいです。もちろん完全に無視されているわけではありません。しかし、ドナルド・トランプの得 ているほとんど不条理といっていいほどの馬鹿げた量のカバレージに比べれば、サンダースの主張や勝利演説などは、不当なほど取り上げられていません。

バーニーがミシガン州で驚きの逆転勝利を遂げた時も、アラスカ州・ハワイ州・そしてワシントン州で大幅に勝った時も、メインストリームメディアは不気味なほど沈黙をし、バーニーの勝利演説を(「政治革命、政治革命といつもと同じことを言っている」と考えたのかもしれないが)多くの番組がスキップしました。

ドナルド・トランプへ与えられた大量のフリーパブ

その分、メディアが何を報じているのか?というと、まるで子供の喧嘩のような*1共和党候補の諍いです。新聞を例に取ると、ドナルド・トランプは、実に他の候補者 を全て合わせたよりも多くの報道量を得ています。テレビ広告に巨額のお金が費やされる選挙選において、これは大変有利なことです。

ニューヨーク・タイムズの試算によれば、トランプは2千億円以上ものフリーパブを得ており、これは、2位のヒラリー・クリントンの830億円の2.5倍にも及びます(参考記事)。

トランプは「自分はスーパー PACから資金を受け取っていない」と胸を張りますが、多くの候補者が広告に費用を使うなか、トランプはそちらにお金を使わなくてすむので、選挙資金を使っていないのももっともなのです。

大手メディアは「なぜトランプがこんなに人気を集めるのか?」と首をかしげたり分析を出していますが、そ毎日毎日これだけテレビでも新聞でもトランプの顔と言い分を流していれば、それは、人気でますよね!そういう意味では、トランプの人気のには、視聴率が取れるからといって必要以上に彼を取り上げすぎたメディアの責任もあると思います。

一方バーニーはこのようなフリーパブの恩恵をほとんど受けていません。2015年、ABCワールドニューストゥナイトでは、トランプについて80分以上費やされたのに対し、バーニーに対してはたったの20秒しか報道されず、CBSは6分以下で、NBCの夜のニュースでは3分以下でした。

いったい、これはなぜなのか?

巨大資本に支配されている大手メディア

ここには、選挙報道を担う「メディア」自体もまた、この政策論争で話題になっている「グローバル大企業・エスタブリッシュメントvsローカルスモールビジネス・民衆」という構図の構成要因のひとつであることが関係しています。

f:id:calibaby:20120916005748j:plain Photo by Who controls the Media?

ウォルト・ディズニー・カンパニーは、ABCを所有し、タイム・ワーナーはCNNを所有し、ニュース・コープはFOXとウォール・ストリート・ジャーナル、そ して、ニューヨーク・ポストを所有。そして、コムキャストとGEはMSNBCとNBCとCNBCを所有している。ベライゾンはAOLを所有し、そしてハフィントン・ポストを所有しています。わーお。

ディズニー・ワールドの従業員は時給8〜9ドルで働いており、それはディズニーの子会社であるケーブルニュース局ABCでも同様です。そんなテレビ局で「ディズニーの最低賃金」についてのニュースをなかなか見かけないのは、決して偶然ではありません。

普通にテレビを見たり、ラジオを聴いているだけでは「フィルターのかかった情報」しか入ってこないのです。

トランプの話題は既に、まるでリアリティー番組のような、エンタメ的に消費されつつあります。トランプの馬鹿げた話をゴシップ的に流すことで、メディアは、今、政治において本当に議論が必要なことから人々の目をそらしているのかもしれません。

大手メディアの「ヒラリーバイアス」

世間は「トランプ大人気!」といい、「ヒラリーは指名確実」という。しかし、実際には、サンダースが指名取るために必要な残りの代議員数の比率は残り57%であり、これはトランプが取らなければいけない共和党の残りの代議員の比率と同様です。

また、大手メディアは特別代議員がいることを理由に「ほぼヒラリーに決まり」という雰囲気を醸し出していますが、実際には、特別代議員だって意見を変える可能性がないわけではありません。

しかし、大手メディアは常に「ヒラリーより」なので、まるでバーニーには勝ち目がないように報道するのです。コムキャストとタイム・ワーナーは、ヒラリーに対する資金提供者上位10位にランクインしている有力支援企業です。そんなメディアが、「公正な報道」をできるでしょうか?

大手メディアの取材力は、信用している部分もあるのですが、大手メディアに加えて、企業からの資金を受け取っていない独立系メディアの報道を合わせて読むと、一つの出来事でもより複眼的で立体的に捉えることができると思います。

*1:CNNのアンダーソン・クーパーは、ドナルド・トランプを「5歳児のよう」だと評しました。