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#あたシモ

虹の向こう側

シロガネーゼは、なぜ離婚届を取りに行き、なぜ離婚を思いとどまったのか

フェミニズム

VERY(ヴェリィ) 2015年 05 月号 [雑誌]

VERY(ヴェリィ) 2015年 05 月号 [雑誌]

「基盤がある女性は、強く優しく美しい」と謳う雑誌『VERY』五月号で興味深い記事を見つけた。

お別れか続けるか、 ママたちの瀬戸際の気持ちに迫ります 「離婚届もらいに行ったことありますか?」

として、離婚届をもらいに言ったことがある妻たちの事例がページいっぱいに載っている。VERYと言えば、シロガネーゼという言葉を産んだ「勝ち組主婦系」の雑誌。そんなVERY読者が、離婚届を取りに行くのは、どんな時なのだろうか?そのなかで興味深かった投稿をいくつか共有する。

↑子供と共に家出して一ヶ月間、夫から一切連絡ないってすごいワ。

↑妻的にはなーんにも問題なかったのに、突然「そろそろ離婚した方がいいかな?」って……。これもすごい。浮気とかなくても、こーゆーことを言われる事自体傷つくし相手が信用できなくなる気がする。「やっぱりやめた」というのもよくわからん。

結局、離婚届を取りに行きつつも、離婚を思いとどまっているのが、VERYらしい。VERYのアイデンティティーは、あくまで「基盤のある女」だ。そして、「基盤」が意味するものは、決して自らのキャリアや自分らしさではなく、裕福な夫と子供のいる「家庭」なのだろうことは、この記事だけでなく、VERY誌面全体から常にヒシヒシと伝わってくる。

もちろん、ここに書かれているだけが彼らの結婚生活の全てではないだろう。しかし、こういうの記事は、結婚生活は「人それぞれ」であることを、改めて思い出させてくれる。それを十分理解するのは、大切なことだ。世の中に完璧な結婚があふれていて、自分だけがそれから外れているんじゃないかという妄想ほど苦しいものはない(このような幻想は、今後ゲイ・コミュニティを容赦なく侵食してくることだろう)。

VERYの記事には大丈夫?と思わず突っ込んでしまったが、本来他人の恋愛や結婚に安易に口を出すのは野暮なことだ。

個人的には、自らが尊重されていないと感じたり、心身を傷つけられる関係は早めに終わらせた方がよいと思っている。しかし、普段は他人の人間関係については、とやかく言わないように心がけている。

なぜなら、そもそも他人の人間関係について、自分は正しい情報を持っていないことが多いし、また、大して仲良くない人の親密な関係に対して、自分の価値観を当てはめてコメントすることは、相手との関係に面倒くさいダイナミクスをもたらしかねないからだ(例外もある。とても仲のよい友だちで、彼女または彼の人間関係について十分な情報を持ってお り、また「面倒なことになるかもしれない」という危険性を自分が背負ってもよいと感じる場合。そんな時には嫌われることを覚悟で友人としてコメントする)。

しかし、基本的には、人の恋愛や結婚に口を出すことはしたくない。結婚は「永遠の愛」を誓うものだけではなく、より現実的な結果をもたらすものであり、そこには具体的な権利義務が発生する。「しがらみ」と言えばネガティヴな印象だが、それが必要な人もいる。経済的な理由、活動のパートナー、仕事のパートナー、移民のスポンサーシップ、セックスの相性がよい、別れるコストの方が大きいなどなど。結婚する理由がそれぞれなら、離婚しない理由もそれぞれでよいのだ。

↑こんな夫婦円満のコツ?もある。こちらは、文藝春秋三月号に掲載の広告欄より。

文藝春秋 2015年 03 月号 [雑誌]

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「いつか離婚したい」と考えているあなたへ  子どもが大きくなるまで、夫のわがままを許しますか?

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