読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

#あたシモ

虹の向こう側

キラキラだけじゃない‼︎トイアンナさんの横顔研究

はてなブログ バイセクシャル

『ビッチ』つながりということで、今日は皆大好きトイアンナさんについて。

外資系就職のアドバイスからアラサー男女の恋愛まで、マーケターとしての視点を活かしながら、悲喜こもごもを面白く鋭く描く筆致が大人気。わたしも好きで、『ビッチなわたしの見分け方』も買って読んだ。そんなトイアンナさんのブログをマイノリティーブロガーが読むと、えっと思うような意外な側面が見えてくる。

トイアンナファンなら当然のように知っていることだと思うが、なかには最近外部サイトでトイアンナさんを知り、面白い恋愛ライターさんとしてのみ見ている人も思うので、ここでは、寄稿記事ではなく、純粋にブログから読み解ける彼女の姿について注目してみる。

あなたは、トイアンナさんのこんな横顔をご存知だっただろうか?

トイアンナさんとメンヘル

おそらく「外資系」「グルメ」「キラキラ」的なイメージでトイアンナさんを見ている層にとって、もっとも意外なのがこれらのエントリ群ではないか。わたしはそうだった。読んだ時、ドキっとした。

人の恋愛模様を冷静にザクザクと切っていくというような芸風が目立つようトイアンナさんだが、ブログでは自身の弱い部分をさらけ出すようなエントリも目立つ。

「私もいつか王子様になって、好きになった人を守りたい」と思っていたはずなのに、いつしか「結婚したい」と願い、「オーネットで婚活」をする。

恋愛や婚活周りのエントリでは歯に衣を着せない鋭さが持ち味だが、彼女は決して評論家気取りで書いているわけではなく、実際にそのフィールドで闘い、時に敗れ、涙したこともあったのだ。当たり前なんだけど普段の語り口が冷静すぎてうっかり忘れていた。しかし、ブログから垣間見られるここらへんの正直さは生々しく面白い。

トイアンナさんと性暴力

トイアンナさんは性暴力情報メディア「サバイバーズ・リソース」というサイトを運営している。

Twitterやブログのプロフィール欄にも貼り付けてあるこのサイトの存在を知っている人は多いだろう。わたしははじめにこのサイトへのリンクを見つけた時「なぜこのブログから、このサイトへリンクが?」と意外に思いをしたので、記憶に残っている。その後、彼女自身が、サイト運営に関わっていることを知り、社会的な取り組みをしている点で尊敬の念を覚えた。

その後、過去のブログを読むうちに、性暴力体験についても知るようになった。

 トイアンナさんとLGBT

こちらも公開している割に、意外と語られていないのでは?と思うのだが(気のせい?)、トイアンナさんはバイセクシャルでもある。LGBT関連のエントリもいくつかある。

バイセクシュアルと自覚したのは15歳のころで、それまでは自分がレズビアンだと思っていた。初恋の相手は同級生の女の子で、彼女のために生きようと思い、彼女を養いたくて進路を決めてきた。もちろん彼女は私の恋愛感情を友情だと思っていたし、告白するつもりもなかった。 15歳の頃、男の子に告白されて”まぁ、いいや”とノリで付き合い始めたとき、私は彼女を裏切ったと思った。実際には、彼女は私のことを祝福してくれた。そして私は彼氏がいるくせに、傷ついた。「この子は本当に私を友達としてしか思ってなかった」ということを知らされて。今思えば身勝手な話。

↑ここらへんは「あるある」と共感できるクィア女子も多いかもしれない。

また、続く以下の文章は、バイセクシャル自認を持つ立場からの、リアルな実感だろう。

バイセクシュアルの肩身は狭い。LGBT(性的マイノリティの略語。頭文字はレズビアン/ゲイ/バイセクシュアル/トランスジェンダーを表す)の中でも、 最も排斥されやすい。女性しか愛さない、男性しか愛さないという性が圧倒的に多い中で「両性愛者」は異性の相手を選ぶことで世間体を守ることもできる”い いとこどり”の気配がある。私自身、圧倒的にゲイ・ビアンの人に比べて世間と戦ってきたものが少ないと思う。

しかし、だからこそ私はノンケの女性を愛しても仲良くしたり、ましてや告白して付き合ったりということを諦めてきた。たとえ相手がビアンで、私に興味を持ってくれてもそれは「ビアン の人が持っている数少ないパイを奪う」ように思われた。今書いていても傲慢な話だと思いつつ。

例えば今私が恋している人は男性だ。相手に 魅力を感じていることは間違いないが、「同性を選ばないようにする力」が皆無だったと言える自信はない。私はレズビアンのパートナーを持つことでビアンの 世界から女性を奪ってはいけないし、「バイセクシュアルだから男性を選ぶことが一番世間と摩擦がない」と思った。その結果バイセクシュアルが最も嫌われる ところの「いいとこどり」に落ち着こうとしている。

バイセクシャル女性が恋愛市場に参加することを「数少ないパイを奪う」と感じるレズビアンもいるのだろうけど、逆に「プレーヤーが増えて嬉しい」と思う人もいると個人的には思った。

ここらへんも必読。

このエントリには、聡明なトイアンナさんに似合わない、奇妙な表記が見られる。

新郎は男性の、新婦は女性の友人を呼ばないと「異性と遊んでいる」ようで非常識というご指摘を受けることがあります。バイセクシュアルの視点で受け止めると「お前 は男女共に性的対象だから、友達を呼ぶな」と言われていることになります。(辛うじてトランスジェンダーの友人は呼べますね・・・)

↑結婚式のしきたりの一部が、LGBTにとっては居心地の悪いものであることを書いているのだが、「トランスジェンダーというものをわかっているのかな?」と疑問に思った(トイアンナさんの恋愛対象がシスジェンダーのみであって、『トランスジェンダー』は恋愛対象外、というのなら一応話の筋は通る)。

セクシャルマイノリティーであることをたった一つの拠り所としてブログをはじめる人が多いなか(わたしもそうですがw)、さまざまな分野で興味深いエントリを投下し、しっかりバズりながらも、さらっとセクシャルマイノリティー(異性をパートナーとしているバイセクシャル)であることを明かすというのは、現代的だ。最近、セレブリティーの間でも流行している「ラベルを貼らない」「隠さない」方式のカムアウトのあり方だなーと思った。

ここらへんのスタンスは、過去の恋愛の修羅場や性暴力体験についても、共通している。隠すこともしないが、アイデンティティや売りにするでもなく(あくまでブログと言う場では)距離を保ちながら淡々と書くというのが、彼女のスタイルなのかもしれない。