#あたシモ

アメリカで働くレズの徒然

LAのサイエントロジー(1) ハリウッドにあるサイエントロジー教会でトム・クルーズのビデオを観た話

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 クリスマスにやっていたサイエントロジー教会

クリスマスは、アメリカにとって「お正月」みたいな季節だといつも思う。ほとんどのビジネスは閉まり、街は静まり返る。

その年のクリスマス、恋人もいなければ、一緒に過ごす家族もいなかったわたしは、レズビアン友達二人と一緒に「開いているケンタッキー・フライド・チキン」を求めて街中をドライブしていた。

ハリウッドの近くでようやくフライドチキンにありついて、その後、家に向かうためにハリウッド大通りをドライブしていた時、わたしたちの目に止まったものがあった。

「SCIENTLOOGY」

それは、サイエントロジーの教会だった。

荘厳な雰囲気の教会のなかに、巨大なクリスマスツリーが飾られている。サイエントロジーでもクリスマスツリーは飾るんだ。でも、サイエントロジー教会は、クリスマスの当日にも開いていた。

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なかは当然ガラガラだ。

ちょっと行ってみようよ! あまりに暇だったわたしたちは、サイエントロジー教会に行ってみることにした。

↑当日の浮かれたツイート。

サイエントロジーの勧誘手法「無料の性格診断」

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サイエントロジーは無料で「無料のストレステスト」を受けられるというのが売りで、いろんなところで、宣伝していた。もちろんそれは彼らの「勧誘」の第一歩なのだということは皆知っているのだけれど、それでも、いったいどんなテストなのか?自分にはどんなストレスがあるのか?どんな結果が出るのか?興味があった。

日本でも、駅前とかで「手相の勉強をしているんです」と声をかけてくる人がいる。そんな時「これって結局何かの勧誘なんだろうな」と思いながらも、純粋に「さて、自分の手相には出ているのか」という興味で見てもらったことはないだろうか?その時の心境はそんな感じだった。あと、本当に暇だったしね。

教会のなかに入って「テストを受けたいんです」というと、紙と鉛筆を渡される。ブースに座って、マークシート式で200問の質問にイエス・ノーで答える。なんか、試験を受けているみたい。質問の中身はこんな感じ。

  • あなたは考えなしに発言なしして、あとで公開することがありますか?
  • 失敗することは、あなたにとって難しいことですか?
  • 数日間にわたってとても活動的なことがありますか?
  • あなたの行動は他の人からみて予想が難しですか?

……。

実際には、これは「ストレス診断テスト」ではなくて「パーソナリティーテスト(性格診断)」だったみたい。簡単かと思ったら意外と時間がかかる。ふぅ。

結果はコンピューターから出力されるのだが、教会の人と1対1になって、またブースで説明を受ける。鉛筆でぐりぐりと結果の紙に書き込みをされながら「あなたの弱みはここですね」みたいな分析をされる。「ほら、ここが凹んでいるでしょう?」でもこれこれこういうセッションを受けると、その偏りが治って、もっとバランスがとれた人間になれますよーという感じ。

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サイエントロジーのコース受ける前(下)凸凹が多いが、サイエントロジーのコースを受けた後(上)よりバランスが取れている。ということらしい。勧誘きたきた。わたしはそれくらいで、あまり勧誘されなかった。

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ちなみに、その時受けた3人のパーソナリティーテストの結果。当たり前だが、皆図形が違う。

残りの友達二人はかなり長い間説得されていた。そしてその後も何度も電話がかかってきて「あなたこのままでいいんですか!変わりたくないんですか!」的な勧誘をされたそうな……。なんでわたし勧誘されなかったんだろ……。

トム・クルーズのビデオが観放題!

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友達がコンサルテーションから出てくるのを待つ間、わたしはロビーに設置された機械で、かたっぱしからビデオを見た。もちろん日本語字幕を選べる。「トム・クルーズが見たい」程度の理由だったが、実際トム・クルーズが出てきた時は感動した。

動画はかなりたくさんあったんだけれど、特にこの二つのビデオが印象的だった。

  • 麻薬について
  • 精神科医について

一つは、麻薬について。わたしは当時、薬物に興味があり麻薬は非犯罪化されるべきだと考えていた。しかし、サイエントロジーは麻薬については「ダメ・絶対!」な考えのようだった。しかも、大麻も他の薬物も全部一緒くたにしてるのね。(あーそれ系ですか……)って思ったのを覚えている。

もう一つは、精神分析や精神科医について。わたしはよく知らなかったのだが、サイエントロジーは精神科医や薬物治療について否定的な考え方を持っていた。うつも、ADHDも、ありとあらゆる疾患が「サイエントロジーで治る」みたいな動画を見て「うわー、こういう考え方って危険だわー」と呆れた。

ロビーにはコーヒーとクッキーも置いてあり、割りと自由にウロウロしたりビデオを観たりできて楽しかった。

日本語の書籍も充実

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売店コーナーにはさまざまなL・ロン・ハバードの本があり、正典的著書『ダイアネティックス』だけではなく、いろいろある。そして、それらが驚くほど多くの言語に翻訳もされていた。日本語版もある。

サイエントロジーってお金があるんだなー」と思ったのを覚えている。

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もう一人の友達はL・ロン・ハバードの本を買っていた。『仕事で成功する方法』とかそれ系だったかな。わたしも借りて読んでみた。しかし、直訳体の日本語が非常に読みづらく、ちっとも頭に入ってこない。

(なんで、こんなのが人気なんかな?っていうか、誰がこの翻訳したんだろう?)わたしはサイエントロジーに対する興味を失った。

しかし数年後、サイエントロジーは意外な形でわたしの前に再び姿を表すことになる。

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