#あたシモ

アメリカで働くレズの徒然

清々しいほどの駄作!『ファンタジー・アイランド』を頑張って考察してみた(後半ネタバレあり)

Blumhouse's Fantasy Island (Original Motion Picture Soundtrack)

絶対にB級でイマイチだよねーって分かっていたけど、観てしまいました!『ファンタジー・アイランド』の感想です。

『ファンタジー・アイランド』あらすじ(ネタバレなし)

周りに口コミすることを条件に美しい孤島のリゾートに招かれた5人の客。この島は「ファンタジー・アイランド」と名付けられており、ゲストのファンタジーが現実になる不思議な力を持っていた。ホストのローク氏(マイケル・ペーニャ)と、アシスタントのジュリア(パリサ・フィッツ=ヘンリー)そしてミステリアスな従業員に囲まれたゲストは順番に自らのファンタジーの世界に入っていく。

『ファンタジー・アイランド』感想(ネタバレなし)

とにかく、脚本が混乱しているし、ゾンビっぽかったり、余計な伏線が多すぎて、めちゃくちゃな作品でしたw

面白い低予算ホラーを作るので定評のあるブラムハウスの作品なのですがなんだかなあ。キャストは、プリティー・リトル・ライアーズで主演のアリアを務めたルーシー・ヘイルやマギー・Q、それに『クレイジー・リッチ!』のジミー・オー・ヤンも出てました。またパーティー好きの軽薄なキャラクターで、ちょっとタイプキャストっぽいのですが、実は「ゲイ」という軽いツイストがありました!

『ファンタジー・アイランド』考察(以下ネタバレあり)

さて、分かりづらかった点を以下考察します。

ファンタジーとは?

「ファンタジー」がどういう形で始まるのか?またファンタジー内で起こったことがどう「リアル」に影響してくるのか?よくわからないまま、話が進んでいきます。

マギー・Q演じるグウェンは5年前にプロポーズを断ったことを悔やみ、ファンタジー内で「イエス」と言いますが、その後、島で目を覚ますと、5歳分年をとった夫と5歳の子供が島に現れます。またグウェンのスマホの中にも、子供との写真などが次々と現れます。これはどの程度「リアル」なのでしょうか?

映画の中では、ファンタジーは実はリアルであるようにほのめかされますが、結論からいうと、ファンタジーは、そのファンタジーの持ち主が島を離れると消えてしまいます。これは、ローク氏が最後の最後になって明かされますが、そこらへんもっと早く言おうよ!リアルなのかと思ったじゃん!

最後、ファンタジーのなかで死んだはずのJDは、ブラックスの「ファンタジー」として生き返り、その代わりに、ブラックスはローク氏とともに島に残ります。つまり「ファンタジーの持ち主」が島にいる限り、ファンタジーとして現れた人間は島の外でも存在できるのです。でもそうすると、ファンタジーとして現れた人間のモデルがまだ生きている場合は、リアルな人と、ファンタジーの結果現れた人の二人が存在する可能性がありますが……ま、そこまで考えてないんでしょうねw

あとは、ファンタジーの中でも、JDとかパトリックなどはリアルに死んでいますし、かというと、ファンタジーの中の空想の人物たちはゾンビになるのか?とかよくわかんない裏設定が多すぎます。

ファンタジー同士の関係性は?

またファンタジー同士がどう繋がっているのかも謎です。5人のゲストは、それぞれのファンタジーの中に送り込まれますが、時空は完全にずれているわけではなく、「島」の中で、お互いのファンタジーは重なり合い、インタラクティブに影響を受け合います。結局、パーティしてたJDとブラックスが、ベネズエラの戦場にいるファンタジーに参加していた参加者が救う「人質」になってたり。

「ファンタジー」周りの設定やルールがどうなっているのかよくわからないので、混乱しました。

いくらSFやファンタジー映画だといっても、そこらへんの設定がしっかりしていないと、観てて気持ち悪いんですよね。調べると、この『ファンタジー・アイランド』はそもそも70年代のテレビ番組のリメイクだそうで、ローク氏が大金と引き換えにゲストの夢を叶えるという設定が同じだそうです。それを知っている人にはもっとわかりやすいのかな?

リアルとファンタジーの境目がよくわからず、しかもファンタジーでもリアルな害悪が影響するという点では『IT/それが見えたら終わり』と似ていると思いました。

結局結論は何だったの?

結論としては、皆はメラニーのファンタジーの中に入ってたってことのようです。

メラニーのファンタジーは、高校時代いじめられた相手を拷問することだと思わせておいて、実は、いじめっ子だけでなく、かつて好きだった相手ニックの事故死に関わっていた「他の参加者全員」を殺すことでした。参加者全員が何かしらの形でニックの死に関わっていたからです。いや、なんで、メラニーのファンタジーだけそんなに丁寧に叶えることになってるの?とか、そもそもどうやって参加者全員集めたの?とかいろいろツッコミどころあるんですが、もういいです。そこまで考えてないんだろうし。

実は皆メラニーのファンタジーだった!というオチ自体は、面白くなるポテンシャルあったと思いますが、ごちゃごちゃしたストーリーと無駄な演出(ゾンビとか、いらんやろ)

『ファンタジー・アイランド』評価

映画『ファンタジー・アイランド』はロッテン・トマトで批評家スコア10%、オーディエンススコアは48%と、低評価です。非常に強い言葉でけなされており、ローリングストーンは、5段階で星0個という極端な評価。

しかし、嵐の夜に恋人と毛布にくるまってキャーキャー言いながら観る分にはよい…かも?

雰囲気的に、『インセプション』とか『シャッター・アイランド』とかが好きな人は好きかもしれません。しかし、めっちゃ駄作なので、期待はしないでね。警告はしましたよ!

  • ホラー度 ★★★☆☆ 
  • どんでん返し度 ★★★★★
  • スリラー度 ★★★★☆

 『ファンタジー・アイランド』概要

  • 監督:ジェフ・ワードロー
  • 脚本:クロストファー・ローチ、ジリアン・ジェイコブズ
  • 上映時間:110分
  • スタジオ:コロンビア・ピクチャーズ
  • 出演:ルーシー・ヘイル、マギー・Q、ポーシャ・ダブルデイ

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