#あたシモ

アメリカで働くレズの徒然

リアルな犯罪モノ?ストリッパー同士の百合?ジェニファー・ロペス出演映画『ハスラーズ』 感想

Hustlers [DVD]

2019年のベスト映画記事に入れ忘れました!『ハスラーズ』はベスト10入りします!

アメリカで働くレズが選ぶ!2019年映画ベスト10発表! - #あたシモ

ギラギラしたB級作品かな?と思いきや、意外としんみり考えさせられるシスターフッド映画でした。

映画『ハスラーズ』のあらすじ

幼少の頃に母に捨てられ、祖母に育てられたデスティニー(コンスタンス・ウー)は、祖母を養うため、ショークラブで働き始める。そこでトップダンサーとして活躍するラモーナ(ジェニファー・ロペス)と出会い、姉妹のように親しい関係に。2人は協力し合うことで大金を稼ぐようになる。 しかし、2008年に起きた金融危機により、ショークラブで働くダンサーたちも大打撃を受ける。ぞれぞれの差し迫った事情で“お金が必要”という彼女たちに、ラモーナは「ウォール街のヤツらは真面目な貧乏人からすべてを奪い、盗んだ金で遊んでる。不公平でしょ?」と言い、ウォール街の男たちから金を騙し取る計画を企てる。

映画『ハスラーズ』の感想

思ったより良くてびっくりしました!というのは冒頭にも書いた通り、この作品はどうせB級だろう!と思ってたんです。

ところが、結構フェミニスト的なメッセージのこめられた本作、なかなかの名作でした!

2008年リーマンショックで打撃を受け、差し迫った事情でお金が必要だった女性達が、NYウォール街の裕福な男たちから、大胆すぎる手口で大金を騙し取りまくったという、実際に起こった事件を元にしています。

もちろん犯罪はよくありませんが、りーまんショックの後には、ウォール街のビジネスモデル(とそもそもの資本主義)に対して全国的な疑問が投げかけられるようになりました。犯罪グループを束ねている「ママさん」であるジェニファー・ロペスの女性たちへの愛ある目線にほっこりするシーンもありました。みんなダメ人間なところもありながらも、家族思いで、生きるために必死なんですよね。

百合…というとちょっと違うかもですが。でも駆け出しの売れないストリッパーのディステニーを屋上で毛皮で抱きしめるところとか、萌えポイントはたくさんあります!

J Lo のポールダンス!本職からは不評だが…

さて、本作の一番の売りが「奇跡の50歳」 J Loによるゴージャスなポールダンスです。コンスタンス・ウーが、 J Loに一目惚れするシーンですね♥

自分の周りでポールダンスをやっている人からは、実はこのシーンはかなり不評です。まあアギちゃんの『バーレスク』がガチバーレスク勢からコテンパンな評価だったのと同様ですかね……。

わたしはポールコミュニティのいち員ではないので、そういう玄人目線での批評はできませんが「神!」とは思いました。

ちょっと関係ないんですけど、 J Lo って去年(2019年)50歳になってまして、おそらくこの映画の撮影後だとは思うのですが、自分の誕生日に合わせてツアーをしたんですね。

で、わたしはForumで行われた J Lo のツアーを観にいったのですが。ジェニロとそっくりのヘアメーク&ファッションで身を固めた「ミニ・ J Lo」のラティーナ軍団(プラス、付添の彼氏らしい男ちらほら)で 巨大アリーナが最後列までビッチリ埋まっており。その J Loパワーに圧倒された記憶があります。 

もちろんステージもパワフルそのもので!いやぁ、すごかった。

元本職!カーディー・Bのダンスも見もの!

映画のポスターにフィーチャーされている3人(ジェニファー・ロペス、コンスタンス・ウー、カーディ・B)のなかではラッパーのカーディ・Bは一番の脇役です。しかし、カーディ・Bはもともとストリッパー出身だった過去を公開しており、動きは本格派w

コンスタンス演じるデスティニーが稼げるようになったのも、カーディ・B演じるダイヤモンドのレッスンを受けてからです!

音楽界からもLizzo、Usher、G-Eazy!

あとは、ちょこっとですがLizzoもインパクトのある脇役として出ています!Lizzo、マジ最高!スクリーンタイムは短いのに、記憶に残る名演技ですw

あとは、アッシャー、 G-Eazyなども出ています!探してみてください!

コンスタンス・ウーはビッチなのか?

また本作を語る時に外せないのが、コンスタンス・ウーはビッチなのか?問題です。

そもそも、本作に出てるジェニファー・ロペスも、カーディ・Bも、有名なディーバです。知名度で言えばコンスタンスより上かもしれません。しかし、映画のプロモーションで1番に名前が出ていたのはいつもコンスタントでした。

その理由としてはコンスタンスが「自分の名前をクレジットでも宣伝でも1番上に持ってくるように」と要求していたからだと言われています。

コンスタンスは出世作であるアジア系コメディテレビ番組『フレッシュ・オフ・ザ・ボート』が続投になった時、TwitterでFワードを連発して、嘆いたこともあり、その辺から少しわがままというか調子に乗っているビッチ説が出ていたのです。

その後この映画で自分が1番になると言うようにと言う要求をしていたことがわかり、ますますそのビッチ疑惑は強まりました。しかし、実際に映画『ハスラーズ』を見てみると、確かにコンスタンスは主役であり、女優が本業であるコンスタンスが「自分をメインにするように」と要求したのは納得いくかなと思いました。まだまだアジア系の活躍が少ないハリウッドにおいてしっかり自分の権利を主張して結果も出しているコンスタンス。リアルでの性格は知らないし、好き嫌いは別れると思いますが、わたしは応援したいと思います。

## 映画『ハスラーズ』評価

  • ゴージャス度 ★ ★ ★ ★ ★
  • シスターフッド度  ★ ★ ★ ★ ★
  • 痛快度 ★★★☆☆

    映画『ハスラーズ』日本公開予定

映画ハスラーズの日本公開は2020年2月7日に予定されています。