#あたシモ

アメリカで働くレズの徒然

告白

彼女と本当に仲良くなったのは、彼女が遠くに引っ越してからだ。近くにいる時、あれほど毎日一緒にいたのに、わたしは彼女がいるのを当たり前だととらえてしまい、彼女の大事さに気づけていなかったのかもしれない。

 

でも、彼女が遠くに行った後、気づいた。わたしがどんなに彼女に助けられていたか、彼女がいることで、どんなに安心できていたか……。

 

彼女はいつも優しくてフェアで、声をかけてくれることをわたしは知っていた。彼女がいる限り、わたしはひとりにはならないと、確信を持てていたのだった。

 

彼女と離れてから、彼女の優しさがよりわかるようになった。彼女と会って食事をしたり、お酒を飲んだり、コンサートに行ったり、電話で語り合ったりするたびに、わたしは彼女に元気づけられた。近くにいた時より、距離がある今の方がより心は近くなっているような気がしていた。

 

そんな彼女は自分自身のアップデートはあまりしない。ごくごく薄くサラッと…順調よ、とか、仕事を始めたの、と言う程度で。恋愛や悩みについて語るときも、いつも少し抑制したように、さらりと変わるのだった。

 

それは彼女の慎ましさだとも思ったかど、たまにはもっと心を開いて欲しいと思ったこともある。思い切って踏み込んだ話をしても、彼女はなかなか乗ってこないのだった。

 

そんなある日、彼女がためらうように「実は……」と口を開いた。

 

とうとうその時が来た。彼女がとうとう自分の話をしてくれることが嬉しかった。わたしは車のブレーキを踏んでエンジンを止めた。

 

え?今なんて言ったの?