もうすぐつきあって3年になる彼女Fちゃんとの馴れ初め話を連載中のイチカワユウ(@yu_ichikawa)です。
「馴れ初めシリーズ」が初めての方は、こちらからご覧ください!
今日は、第七話です。
(7) リバウンド
日本滞在も終わり、アメリカに帰ったわたし。Fちゃんと二人でご飯を食べることになりました。Fちゃんとは、既に何度かご飯を一緒に食べていたのですが、この日行ったのは、定食系の日本食屋さん。
お手頃に本格的な和食が食べられるので気に入っていたのですが、久しぶりに行ったら、オーナーがフィリピン人かタイ人のオーナーに変わっていて、かなり味が変わっていました。焼き魚定食を頼んだのに、大根おろしが出てこない……。大根おろしを頼むと、刺し身のツマのような、細切りにした大根が出てきました。「コレジャナイ!!」わたしは甘すぎる照り焼きソースがかかった焼き魚をつっつきながら、彼女の話に耳を傾けました。
彼女が「ハグが必要」と言って落ち込んでいた理由は、元カノに新しい彼女ができたから。しかも、その新しい彼女は、前から仲のよい友達だったのです。サイアク……。実は狭いレズビアン・コミュニティではよくある話。
しかも、Fちゃんの元カノは、新しい彼女と付き合いだしてからも、Fちゃんの家に来て「ヨリを戻したい」みたいなことを言ったりとか、いろいろ心を揺さぶるようなことを言ったりしたそう。Fちゃんは、その件でもムカついて、すっかり精神的に参っていたのです。わたしも似たような経験があるので、他人事とは思えませんでした。
「もう少し話す?」
レストランの外に停めた車のなかでも、彼女の話はとどまることを知りません。話し終わった時にはすっかり遅い時間になっていました。わたしはただ頷くことしかできませんでしたが「あーこの子は、まだまだ破局の傷から回復していないんだな」と痛感したのを覚えています。
わたしはその時、既に元カノと別れてから7ヶ月くらい経っており、破局のダメージからは回復していたのですが、Fちゃんはそうじゃないことをひしひしと感じました。
こういう状況を、英語では「リバウンド*1」といいます。カタカナ語だと、ダイエット後に体重が戻ることを言ったりしますが、英語だと恋愛でよく使うんですよね。日本語でぴったりな表現がわかりませんが、「別れの直後、反動で変なことをしてしまう時期」みたいな感じでしょうか?こういう状態にある子に対しては、恋愛を持ちかけても絶対うまくいかないんですよね。一見情熱的にうまくいってるように見えても、リバウンドは時間が経ち破局の傷が回復するとコロッと気持ちが変わったりするので、デート相手が元カノと別れたばかりの時は「あなたのリバウンドにはなりたくない」と言って慎重になったりします。
▼参考記事 愛情と勘違いしやすい3つの感情
わたしはこの時、必ずしもFちゃんを恋愛対象として見ていたわけではないですが、しみじみ思いました。
あぁ、この子はまだ次の恋愛をできる状態じゃないんだな……。早く元気になぁれ。
そんなわたしの心なんて知らないように、一通り吐き出して、すっきりしたらしいFちゃん。
「話聞いてくれてありがとう。お腹がすいたので、タコベル食べよーっと!」
二度目の夕食を食べる!といってドライブスルーへ吸い込まれていく彼女の青い車を見送っていると、なんだか、笑いがこみ上げてきました。
(続く)
皆様からのポチッが更新の原動力! 応援クリックお願いします!
↑今何位かな?ランキング上がったら続きを書きます。
*1:rebound